膵臓がんとn-3多価不飽和脂肪酸摂取

膵臓がん イメージ

膵臓がん予防の研究

国立がん研究センターの発表によると、魚介類由来のn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取量が多いことと膵臓がん罹患リスクの低下には関連があり、膵臓がん予防に役立つかもしれないということでした。

n-3系多価不飽和脂肪酸という言葉、健康に関する情報を調べたりするとよく目にする言葉です。血液をサラサラにする、記憶力の維持、コレステロールの低下など、色々な健康効果を持っていることが知られていますが、膵臓がんのリスク低下と関連があるとはどのようなことなのでしょうか。

膵臓がんは早期発見が難しいがんのため、予防方法を発見することは重要なことです。現在のところ、喫煙・肥満・糖尿病・慢性膵炎などと膵臓がんにかかるリスクが関連があるという報告はあるようですが、予防に関して有効とされる報告は無いようです。

食事と膵臓がんの関係について欧米では多くの研究がされており、魚介類または魚介類に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸( エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA))摂取と膵がん罹患との間には関連がないと報告されているそうです。

しかしこれは欧米の研究であり、魚介類を多く摂取する日本人を対象とした研究の報告は多くは無いようです。日本人を対象として魚介類摂取と膵臓がんにかかるリスクの関係を研究した報告は1件で、関連は無いという報告がされています。

しかし、日本人を対象にしたn-3系多価不飽和脂肪酸と膵臓がんにかかるリスクの関連についての報告は無かったそうです。

そこで今回の研究となったようです。

研究方法と結果

研究方法

・がん既往歴のない82,024人を対象とし、その後の膵がんの罹患を2010年末まで追跡。

・摂取量が最も少ないグループから最も多いグループまで4つのグループに分ける。

・摂取量が最小のグループに比べ、他のグループで膵臓がんのリスクが何倍になるか調べる。

実験方法

※PUFA:多価不飽和脂肪酸のこと

研究結果

年齢・地域・喫煙・飲酒などの条件が結果に影響しないよう考慮して解析した結果、魚介類由来n-3系多価不飽和脂肪酸、EPA、DPA、DHAについて、それぞれ摂取量最小グループと比べると、最大グループでは膵がん罹患リスクの低下が認められたが、統計学的には有意な結果ではないということでした。

しかし、研究が開始された時点で既に膵臓がんにかかっていた可能性がある対象者がおり、それを除外して解析したところ、魚介類由来n-3系多価不飽和脂肪酸とDHAについては、最小摂取量のグループと比べると最大摂取量のグループは統計学的に有意な膵臓がんリスク低下が認められたという結果が出たそうです。また、EPAとDPAでも最小摂取量に比べると最大摂取量のグループで膵臓がんのリスクが低下する傾向が見られたそうです。

膵臓がんの発症には膵臓の慢性的な炎症が関係しているとの報告があるそうです。慢性膵炎患者が膵臓がんのハイリスク者となっているのはそういう理由なのでしょうね。

そして、魚介類由来n-3系多価不飽和脂肪酸には炎症を抑える作用や、免疫調整作用(異常な免疫反応を調整することで炎症を引き起こす要因となる物質が作られるのを抑制する)があるそうです。

この作用により膵臓の慢性的な炎症を抑えてくれることで、膵臓がんのリスクを低下させているのではないかということのようです。

慢性膵炎は膵臓のどこかで常に炎症が起きているような状態だという話を病院の先生から聞いたことがあります。魚介類由来n-3系多価不飽和脂肪酸の持つ抗炎症作用や免疫調整作用が膵臓の炎症に効果があるとすれば、慢性膵炎の症状も抑えてくれることになるんじゃないかと期待したいですね。

魚介類由来n-3系多価不飽和脂肪酸は青魚に多く含まれていますが、青魚は含まれる脂質が多く、脂質制限を考えた場合、あまり食べることができません。では慢性膵炎の患者が魚介類由来n-3系多価不飽和脂肪酸を十分に摂取できないかというとそうでもありません。

サプリメントの利用を考えます。DHAやEPAは、サプリメントとして様々な場所で販売されているのを見かけます。脂質含有量は商品によって差があるようですが、私が見たものは脂質含有量が1回分で約1gでした。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020」では、1日に摂取するn-3系脂肪酸の目安量は2g前後ですから、半分程度はサプリで摂取できることになりますね。

他の健康効果も色々と期待できることから、DHA・EPAのサプリを使い始めてみてもいいかもしれないと思い始めています。

 

タイトルとURLをコピーしました